(円卓)AAL(アート・アクティブ・ラーニング)

茨城県立並木中等教育学校長 中島 博司

「ウイングガンダムゼロ(エンドレスワルツ版)」をご存じの方は少ないと思う。私が最もアートだと思うガンダムである。1979年に始まった「機動戦士ガンダム」は、今年40周年。来年は宇宙空間で飛ぶ計画もある。

2015年4月、校長になった私は「アクティブ・ラーニング(以下AL)」の研究を始めた。AL指数(AL授業のメタ認知指標)・R80(接続詞を使った2文記述)・TO学習(縦割りAL)を考案し、研修会や執筆を通じて、全国にALのタネをまいている。

「マティスとルオー友情の手紙」「テオなくしてゴッホなし」「色彩の魔術師ピエール・ボナール」――。これは、過去3年間の卒業式での学校長式辞のタイトルである。

絵画鑑賞マニアである私は、18年から「AAL(アート・アクティブ・ラーニング)」を提唱し、その考え方を全国に広めている。AALとは、アートとアクティブ・ラーニングの融合。これからの時代は、書く・話す・計算するなどの能力をつかさどる「左脳」だけでなく、「芸術の脳」「イメージの脳」とも呼ばれる「右脳」を鍛えて、感性豊かでクリエーティブであることが大切である。

そのためには、教育のあらゆる場面に、アート感覚を取り入れ、感性(センス)を磨くことが必要である。本校では、多くの授業の中で、色彩やデザインの感覚を育てる工夫をしている。例えば、中2生の国語で実施された「漢詩AAL」では、漢詩を鑑賞したイメージを絵で表現した。雪舟や東山魁夷やゴーギャンのような絵も登場して感動した。

私は、生徒たちに美術館に行くことを勧めている。奥村高明氏の著書『エグゼクティブは美術館に集う』(光村図書出版)によると、朝早くにMOMA(ニューヨーク近代美術館)に行ってから出勤するビジネスマンがいるそうだ。また、山口周氏は、著書『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(光文社)の中で、「直感」と「感性」の時代が来たことや、アートと哲学の重要性を説いている。

本校では、知識・技能だけでなく、ALや探究活動を通して、思考力・判断力・表現力、主体性・多様性・協働性を育てている。さらに、アートや哲学によって、日本や世界を支えることのできる、感性豊かな若者を育てたい。これが、未来を開く「ニュータイプ」の学校である。

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