PTAのトリセツ~保護者と校長の奮闘記~

保護者にとって学校にまつわる最も悩ましい問題が、PTAの存在である。毎年4月には誰もやりたがらない役員の押し付け合いが多くの学校で繰り広げられ、前例踏襲の行事や広報紙の発行によって保護者の負担は大きくなる一方、本来は社会教育団体であり、加入は任意であることから、現状の活動を問題視する声も出ている。

今関明子、福本靖 著
世論社
1000円+税

不満が噴出し、廃止に踏み切った学校もある中、神戸市立本多聞中学校は新しい形のPTAを生み出した。そのキーマンとなったPTA会長と校長が、どうやってPTAを変えていったのかを振り返る。

ポイントは保護者の学校運営への参加と仕事の精選である。これは、昨今のコミュニティ・スクールや働き方改革とも共通する考え方と言える。

同校では保護者に対し、PTAが抱える全ての業務について必要性をアンケートで問い、行事や広報紙の発行をやめた。運営体制もスリム化し、浮いた予算を学校設備の改善に回すこともできた。何より役員の負担が減り、担い手不足も解消したという。

また、保護者の声を校長に届け、学校のルールを柔軟に変えたり、疑問解消に尽力したりして、学校と保護者との信頼関係を強固にした。校長がリーダーシップを発揮して、保護者の意見を取り入れながら学校を改革していったのである。

PTAは一体何のために、誰のためにあるのか。PTA不要論に「こんなPTAならあってもいい」と一石を投じている。