アセスメントで授業が変わる

共生社会の実現に向け、インクルーシブ教育の充実を目指した実践が全国で進められている中、特別な配慮を要する子供をどのようにして理解し、指導を組み立てていくかは、全ての教師が持っておくべき知見といえる。

青山眞二 編/北海道教育大学附属特別支援学校 著
図書文化社
2900円+税

本書は現場教師の悩みに寄り添いながら、子供の背景理解と実態把握の手だて、実態に即した具体的な指導計画の作成と実施、振り返りまで、押さえておきたいコンテンツを幅広く盛り込んでいる。

第2章では、学習に困っている子供を理解するための心理アセスメントやチェックリストについて発達段階別に解説。さらに、チームでの授業改善に向け、話し合いのポイントを明示して具体的に助言する。

北海道教育大学附属特別支援学校での実際の取り組みを基にした方策が示され、実践的で分かりやすい。「なぜ指導がうまく行かないのか」と悩む教師に、子供の特性に応じた手だてのヒントが詰まっている。

第5章では、「落ち着いて実習に取り組ませるにはどうしたらよいのか」「自発的に参加させるには」など、多様な子供の行動を巡る教師の日常の悩みを取り上げ、課題解決に向けた具体的な方策を示している。子供の実態から「分かること」を導き出すアイデアの数々が興味深い。

各章ともポイントが端的にまとめられており、多忙な教師でも読み進めやすい。初任者からベテランまで、特別支援教育の視点に立った指導の助けとなる。