(円卓)新学習指導要領と新テストのはざまで

広島大学附属中・高等学校教諭 藤原 隆範

新高校学習指導要領が公示され、2022年入学の第一学年から年次進行で実施される。多くの高校で新教育課程の編成に着手している一方で、これに多大な影響を与えるのが大学入試である。

20年にセンター試験が終了し、21年から新テストが実施される。現行指導要領に基づく新テストは24年1月で終了となる。新教育課程の編成は、25年以降の大学入試も想定しなければならず、難渋を極めることが予想される。

今回の改訂で激変したのは、地歴科、公民科である。新学習指導要領では、地歴科は「世界史」必修がなくなり、「地理総合」「歴史総合」が必修科目として新設された。また選択科目として、「世界史探究」「日本史探究」「地理探究」が新設された。公民科は「現代社会」が廃止され、「公共」が必修となった。

これらの科目が、新テストでどのような扱いになるのか、正式な発表はない。

「地理総合」は単位数や内容からみて「地理A」の、「歴史総合」は「世界史A」の後継科目といえる。

現行センター試験では、「世界史A」などの試験問題は作成されてはいるが、A科目を試験科目として大学側が認定していなかったり、A科目とB科目の内容的境界が不分明でA科目の教科書の学習だけでは不十分であったり、A科目専用の受験参考書や予備校の講座などもなく、単位数の少ないA科目で受験する生徒は極めて少数であった。

「公共」は、同様に「現代社会」の後継科目である。現行センター試験では、「現代社会」「政治・経済」「倫理」の2単位科目を、地歴科とのバランスから試験科目として認定していない大学もあり、公民科を選択する場合、「政治・経済+倫理」選択が主流になっていた。

このような経緯から現行では、「世界史B」「日本史B」「地理B」「政治・経済+倫理」から、多くの場合、文系は2科目、理系は1科目を選択してきた。

新設2単位必修科目が新テストでも必修になるのか。現行の流れをくんで、「世界史探究」「日本史探究」「地理探究」「政治・経済+倫理」の中から1~2科目選択が主流になるのか。さらに個別学力試験ではどの科目が課されるのか、今のところ分からない。入試科目は新教育課程の編成を大きく規定する。

関係諸機関の速やかな情報開示を、切に願う次第である。