(円卓)ユネスコスクール全国大会への期待

広島大学准教授 永田 忠道

ユネスコ協同学校計画は、「世界共同社会での生活のための教育」の実験活動として、1953年より世界的に始動した。この計画に対して日本では、53年から広島大学附属中・高等学校の他4校が「ユネスコ協同学校」として参画した。

そこから半世紀となる2005年度時点の国内加盟校は16校にとどまっていたが、08年度以降に急速に増加し、18年10月時点では世界最多の1116校を数えるに至っている。

背景には、08年にユネスコ協同学校を日本国内で新たに「ユネスコスクール」と改称することなどにより、ESD(持続可能な開発のための教育)の推進拠点と位置付けたことが大きな転機となっている。

ユネスコスクール発祥の一拠点である広島県においても近年、加盟校は増加を続けている。

県内の優れたESD活動を発掘し、普及活動を活性化する目的の下に、14年度から始められた「広島県ユネスコESD大賞」の効果もある。

広島県ユネスコ連絡協議会が主催する本大賞は、既にユネスコスクールとしての活動実績のある県内の学校を中心としながら、今後加盟を目指す学校の取り組みも表彰の対象としてきた。

また、学校だけでなく個人や民間団体における優れたESD活動への表彰も行っていること、広島県共同募金会による「赤い羽根ESD支援プロジェクト」の支援を受け続けていることも大きな特色となっている。

このような状況下、今年11月30日には広島県福山市において、文科省、日本ユネスコ国内委員会の主催による第11回ユネスコスクール全国大会が開催される。

広島県東部の福山市は、17年3月策定の第二次福山市教育振興基本計画において「福山100NEN教育」の推進を基本理念とし、これまでの小中一貫教育の取り組みをESDの観点で見直すことによる「21世紀型“スキル&倫理観”」の育成方針を打ち出している。

小学校の新学習指導要領の完全実施を来春に控え、このたびの全国大会は、開催地の福山市や広島県のユネスコスクール加盟校、これから加盟を目指す学校も含めて、今後の学校や教育の進むべき道を、全国や世界からの参加者と忌憚(きたん)なく協議し合う絶好の機会となるよう期待する。