(円卓)重要な小学校プログラミング教育

東京学芸大学准教授 加藤 直樹

小学校の教育課程にプログラミング教育を導入する新学習指導要領の全面実施が来年4月に迫っている。

そこに向けてカリキュラム開発を精力的に進める学校がある中、その他の改訂への対応や日々の教育の忙しさから、手付かずの教師が多くいるのも実情である。

新学習指導要領にはプログラミング教育に対応する目標として「コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付ける」ことと書かれている。

情報通信技術の発展と浸透に伴って、社会生活のため、さらにはこれからの社会を支えていくための基盤的な力として情報活用能力を位置付け、その育成の一環としてプログラミング教育が導入される。

もちろん、全ての人がプログラムを自在に作れるようになることを求められているわけではない。

だが、論理的な思考力を基礎として、課題を見つけ解決し新たな価値を創造していく、その際に大きな武器として情報通信技術があり、プログラミングによってさらに強力なものにできることを知っておくことは重要である。

プログラミングを扱う教科を設置する国がある中、日本では従来の教科の中で実施するため、プログラミング教育を通して教科の学びを深めることも求められている。この実現には、児童が自ら考えながらプログラミング活動を行う必要がある。

学習指導要領解説には、プログラミングの技能を習得することが目的ではないと記されているが、必要最低限の技能がなければ、論理的な思考を働かせ試行錯誤しながら教科の学びを深める活動にはなり難い。

そうならないためにも、新学習指導要領に例示のある算数と理科の二つの単元だけでなく、その単元に向けた低学年からの系統的なプログラミング教育の実施が望まれる。

今回の学習指導要領改訂では、高校の普通教科「情報」でプログラミングが必須内容となり、中学校の技術科においてもプログラミングの内容が拡充される。

中高とは目的に違いがあるものの、その基礎的な力を養うという意味でも、小学校でのプログラミング教育は重要な役割を持つ。

さまざまな難しさがあるのは確かであるが、確実に実施してほしい。