(鉄筆)梅雨が明けた後は、各地で……

梅雨が明けた後は、各地で猛暑日が続くなど本格的な夏の到来となっている。今年も長雨や豪雨の影響による土砂災害や河川の氾濫があった。被災された方々にはお見舞い申し上げる。

最近は地球温暖化をこうした災害の原因としているが、江戸時代では全国規模で行われていた森林伐採による土砂流出とそれによる川床の上昇が原因だった。竹村公太郎氏によれば、歌川広重の代表作「東海道五十三次」に出てくる宿場町の背後にある山の木々を見れば一目瞭然だという(『日本史の謎は「地形」で解ける』PHP研究所)。当時、木材は欠かせない燃料だったのだ。それを止めたのがペリーの黒船来航による新たな燃料、石炭の登場である。ただ、当時の江戸幕府や各藩も手をこまねいていたわけではない。「諸国山川掟」なる法令を幾度となく出し山林の乱開発の防止に努めていた。

学習指導要領でよく出てくる言葉が「持続可能な社会」である。ESD(持続可能な開発のための教育)でもおなじみだ。学校によっては、すでにESDを自校の教育課程に位置付け、多くの優れた実践を展開しているところもある。昨年5月には、文科省と日本ユネスコが共同で推進の手引き(改訂版)を発行し、校長の学校経営計画や指導計画の立て方など事例を入れながら紹介している。

「諸国山川掟」が出された頃、国内で最も河川の氾濫に悩まされていたのが大阪の淀川だった。大規模な河川改修工事を行い市民を救ったのが、町人の河村瑞賢である。ESDをテーマとした夏休みの課題として調べる価値はあるだろう。