(円卓)「無言館」の声なき語り

武蔵大学教授 和井田 清司





8月は、戦争の過去を思い起こし、未来への不戦の意思を確かめる月である。

アジア太平洋戦争の敗戦から74年。当時を直接知る人も少なくなった。都市部に集中した空襲体験、ヒロシマ・ナガサキの被爆体験、被害と加害が錯綜(さくそう)した沖縄戦体験―いずれもその体験者の語りを聞く機会は、時間の経過とともに、少なくなっている。

識者も言うように、「戦争を知るものが引退するか世を去ったときに次の戦争が始まる例が少なくない」(『戦争と平和 ある観察』中井久夫、人文書院)。
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