やんばるの少年

「ぼく」と弟のげんた、ハルコが暮らすやんばるの森は、珍しい鳥や虫が住み、きれいな谷川と生い茂る木々に囲まれた自然豊かな場所。学校帰りには川でウナギをつかまえ、バンシルーの実を探して木に登る。そんな「ぼく」たちの大切な森に、オスプレイのヘリパッドが建設されることになって――。

たじまゆきひこ 作
童心社
1600円+税

沖縄県東村高江区のヘリパッド建設を巡る現在進行形の問題を、子供の視点から捉えた作品。鮮やかな色彩で描かれるみずみずしい森の景色に影を落とす、鉛色のオスプレイや建設用のダンプカーが読む者の胸に重く迫ってくる。こんなところで生活できないと、ハルコはおじいと遠くへ引っ越すことになる。安全な暮らしや豊かな自然、大切な友達までも奪いかねない現実がいま同じ日本に横たわっていることを、この作品が改めて教えてくれる。