気候変動の時代を生きる

昨年に続き猛暑となった今年の夏。やっぱり地球温暖化は進んでいるのではないか、という気がしている読者も多いだろう。そうした事象を教室で取り上げようと思ったとき、本書はコンパクトな参考書として重宝するはずだ。

永田佳之 編著
山川出版社
1500円+税

日本ではあまり知られていない気候変動を巡る世界の動きから本書は始まる。国際宇宙ステーションに勤務している宇宙飛行士が100ccの水で風呂を済ましているエピソードから、SDGs(持続可能な開発目標)を掲げた国連のアジェンダ(行動計画)が採択され、温室効果ガスの削減を取り決めたパリ協定の合意など、地球温暖化を食い止めようとする世界全体の行動が紹介されている。子供たちと一緒に地球温暖化を考えるときには、こうした最新の動きをきちんと把握することが前提になるだろう。

その上で、自分たちにもできるアクションを考えなければなるまい。その糸口として、学校や職場、個人や家庭で取り組んでいる事例が多数紹介されている。水資源やエネルギー消費の現状など、さまざまなデータがカラーの図解で数多く掲載されているので、格好の資料となるに違いない。

気候変動の対策に取り組む上で最も有効な武器は教育だと言われる。しかし、何をどこから始めてよいのか分からないという学校現場の声もある。そうした時代の要請に応える、気候変動と教育に焦点を当てた実践的な一冊に仕上がっている。