(鉄筆)夏休みの一日、都心に……

夏休みの一日、都心にある行きつけの書店に出かけた。各フロアとも盛況だったが、学習指導要領関連の書籍が多く並べられた教育書コーナーだけは、客はまばらだった。そのコーナーを眺めながら、小学校学習指導要領全面実施まであと半年、各小学校ではその準備が着実に進んでいるのだろうと思いつつ、多少の不安も頭をよぎった。

今手元に、2008年3月、17年3月告示の小学校学習指導要領および総則編の解説がある。その内容はともかく、それぞれのページ数を比較してみる。08年告示の学習指導要領は104ページ、それに対して17年告示は175ページで、08年に比べて71ページ、比率にして68%増加している。同じく総則の解説は、前者が81ページ、後者が145ページで、前者に比べ、64ページ、79%の増である。

ページ数の増は、内容的にも大幅な改善を意味する。改めて読んでみたが、十全に理解するのはそうたやすいことではない。それにしても、全面実施の目前にもかかわらず各学校から聞こえてくるのは、教育課程論議より働き方改革論議が多いようだが、これで本当に大丈夫なのだろうか。

これまでも教育改革のたびに「改革が教室の外で止まり、中まで入っていかない」と揶揄(やゆ)されることがあったが、その轍(てつ)を踏まないためにも今一度、学校を挙げて準備状況を点検確認してほしい。不十分であれば、再度、新教育課程の具体化に向けた取り組みについて共有化を図る必要があろう。残された半年、見切り発車ではなく、納得いくまで論議し実践されることを願いたい。