(円卓)ブラック校則

NPO法人キッズドア理事長 渡辺 由美子

大阪府立高校で、茶色い地毛を黒く染めるように厳しく指導され、結局高校を中退した生徒が起こした裁判に憤りを感じ、「ブラック校則をなくそう!」
というネット署名キャンペーンを2年前に始めた。

署名の賛同人は6万人超となった。私たちは、校則に関する社会的調査も行った。驚いたのは、以前よりも校則に関する指導が厳しくなっているということだ。
昭和の時代、会社員は皆背広を着て髪型は七三分け、女性は専業主婦でエプロンをしていた。満員電車に揺られて、皆同じ時間に出勤し仕事をしていた。

平成を過ぎて令和の今、かつての花形であった銀行員はリストラされ、工場はオートメーション化が進む。変わってビジネスの主導権を握るIT企業では、皆好きな髪型、服装で働いている。Tシャツ、短パン、ビーチサンダルで金髪はおろか、レインボーカラーの髪色の若者が活躍している。専業主婦は減り、結婚しても子供ができても働くのが普通になった。

政府も女性の労働力に大いに期待している。女性も自分の意見を持ち、個性を発揮して仕事をすることが求められている。

それなのに、多くの学校現場では、なぜかいまだに昭和の校則を死守している。前髪は眉にかかってはいけない、男子は髪が耳にかかってはいけない、女子はポニーテール禁止、など。地毛が茶色がかったり天然パーマであったりすると「地毛証明書」なる、人権侵害とも取れるような証明書を提出させる学校も多い。

この昭和の遺物のような校則を守らせることに、忙しい教員が多くの時間を費やしているのだ。髪型はもちろんスカートの長さや下着の色までチェックし、違反となると謝罪文を書かせたり、皆の前で見せしめのように指導したりする。

今の時代、社会から求められるのは、異質な他人を認め、その人の本質を見極めて一緒に仕事をしていく力だ。公立中学校で、制服や校則をなくした学校が注目されている。髪型や服装、持ち物を校則で縛る時代はそろそろ終わりにしなければならない。

海外から見れば、皆同じ髪型、服装で並ぶ子供の姿こそ異様に見える。グローバル化が進むこれからの時代に、昭和の校則を放置しておく弊害の大きさを皆で考えよう。