(鉄筆)今年の8月15日……

今年の8月15日、台風の影響で甲子園の高校野球の試合が順延となり、終戦記念日の恒例の黙祷(もくとう)は行われなかった。合図のサイレンにより、テレビなどを通して国民の多くの人々が戦争で亡くなった人々に黙祷を捧げたり、平和のありがたさや平和への祈念を共にしたりする大切な場の一つとなっていたように思う。それがなかったのが残念である。

この8月には、戦争に至るいくつかの事件や出来事に関する新たな事実がNHKスペシャルで放送されていた。

『かくて“自由”は死せり~ある新聞と戦争への道~』は、1925年から35年までの10年間に発行された「日本新聞」が、天皇絶対主義の国家体制を脅かすとして大正自由主義を糾弾し大きな影響を与えたと伝えた。

『全貌二・二六事件~最高機密文書で迫る』は、事件の事実がこれまで陸軍関係からの情報でしかなかったのを海軍の最高機密文書で明らかになった新事実を伝えた。

『激闘ガダルカナル 悲劇の指揮官』は、陸軍と海軍の戦略や思惑の違いから部隊が全滅に至る姿、責任をとらない上層部の犠牲となった部隊の悲劇的な結末を伝えた。

映画『ひろしま』(8月にETVで特集および本編を放送)は、こうした戦争への道を経て、どのような犠牲を国民が強いられたかを原爆被爆後8年目に作られた映画で示していた。

これらの映像は、過去、歴史を考える上で貴重な教材となる。毎年放映するなり、貸し出して学校で子供たちが戦争、平和を考え議論する学習に使えるようにしてもらいたい。