とおいまちのこと

気鋭の絵本作家として注目されている植田真氏とnakaban氏が互いの物語に絵を描いた画期的な絵本。本作の世界につながっている、もう1冊の絵本『みなとまちから』(nakaban・作/植田真・絵)も併せて読むと、二つの絵本の世界が交差し、より世界観が深まるだろう。

植田真 作/nakaban 絵
佼成出版社
1500円+税

窓の外からコツンと音がする。雨の匂いとともに小鳥が少年に運んできたのは、青い封筒の手紙だった。少年はポットで湯を沸かし、丁寧に紅茶を入れながら、その封筒を手にとる。手紙は久しぶりに届いた友人からのもので、少年は彼が住む遠い町に思いをはせる。

物語の中心には雨や紅茶、手紙があり、ゆったりとした時間を感じさせてくれる。色の重ね方やにじみが印象的な水彩画のようなタッチの絵は、物語の温かな情景をうまく表現している。

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