こども六法

小学生の頃に知識があれば、自分で自分の身を守れたかもしれない。それが、いじめを経験した著者が『こども六法』を制作した原点であったという。本家『六法全書』の六法のうち、子供になじみの薄い商法に代えて、身近な少年法といじめ防止対策推進法を取り上げている。このことからも、著者の思いがくみ取れる。

山崎聡一郎 著
弘文堂
1200円+税

見開きごとに描かれたユーモラスなイラストには、条文で想定されたトラブルなどが、子供の身の回りでも起こっている様子が描かれている。漢字には読み仮名が振られ、各条文の内容もかみ砕いて解説されており、まさに子供のための法律解説書である。法教育の教材として適しているのはもちろん、大人が読んでも、新しい発見が隠れているに違いない。

「法律を知っていればいじめや虐待は解決できる」というのは理想論にすぎない。しかし、深刻なケースに触れるたび、大人が法律に基づいたしかるべき対応を取っていれば、ここまで深刻にならなかったのではないかと考えさせられることも多い。

本来、法律を理解し、子供を守るのは大人の役割なのだ。『こども六法』は子供だけでなく、大人も一緒になって読んでみてほしい。この法律の条文が何を目的に定められたのか、助けを求めてきた子供に、大人はどんな手を差し伸べなければならないのか。この一冊をきっかけに、子供と大人が話し合う機会をつくってみてはどうだろうか。