めっしほうこう(滅私奉公)

学校の働き方改革が具体的な施策となって学校現場に降りてきている。文科省は業務の精選や地域との連携、校務のICT化によって教員の勤務時間削減を目指しているが、目の前の子供たちを相手に日々教育活動に追われる現場では、働き方を見つめ直す余裕もない。そんな状況下で働き方改革が形骸化してしまったとき、教師や学校現場に何が起こるのか。それをシミュレーションした小説である。

主人公の北村大輔は中学校の理科教諭で、校内では中堅として信頼も厚い。教職にやりがいを感じ、生徒のために土日のほとんどを部活動指導に費やす毎日は、確実に大輔の心身を蝕(むしば)んでいく。一方、授業を受け持つAIロボットが学校に試験導入され、最初は興味津々だった子供たちだが、次第に違和感を覚えていく。

心配する家族や周囲の教員の会話からは、プライベートを犠牲にして成り立つ聖職としての教師像に学校や教師が追い詰められていく姿が浮かび上がる。……

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