(鉄筆)『学習指導要領の読み方……

『学習指導要領の読み方・活かし方―学習指導要領を「使いこなす」ための8章』(教育開発研究所)が刊行された。著者は合田哲雄氏。今回および前回の指導要領改訂の文部科学省の担当者で、現在は初中局財務課長である。本来なら黒子の立場(本人談)が「学習指導要領の解説決定版」と称する図書を刊行したのはなぜか。

各地で教員らと対話する中で「深い学びとは?」「見方・考え方とは?」などの「そもそも」論や、外国語教育・プログラミング教育の導入などの「アクセル」を踏みながら、働き方改革という「ブレーキ」をかけているという指摘に対して説明する必要があるというのが執筆動機のようだ。

学習指導要領の「前文」には「理念の実現に向けて必要となる教育課程の基準を大綱的に定めるもの」「学校における教育水準を全国的に確保すること」「児童(生徒)の学習の在り方を展望していくために広く活用されるものとなること」とある。指導の地図から学びの地図へとシフトした学習指導要領が広く深く理解され、しっかりと活用されることを願って本書を著したのであろう。

多くの有識者の声や知見を聞き、今後の教育の方向性が見えてくる点は大変参考になる。だが、学習指導要領の読み方はすでに解説書で扱われているはずではないか。これをどう生かすかは各学校の創意工夫に委ねられているのではないか。もし不足があるのなら、文科省の予算で資料を作成し、各学校・教師に配付したり説明したりして補うのが筋であり責務ではないか。それが気になった。