(円卓)枠組み・仕組み・中身

福岡教育大学教授 石丸 哲史

「学びに向かう力・人間性等」の涵養(かんよう)、「知識・技能」の習得、「思考力・判断力・表現力等」の育成がこれからの教育の枠組みであるならば、これを実現する仕組みが必要であり、この追究が授業づくりにつながる。

ただし、授業づくりにおいては中身、すなわち学習内容も重要である。教材開発など中身に至るまでに息切れすることがよくある。逆に中身に傾注するがあまり、この実践がどのような仕組みに基づき、本来の枠組みにどう収まるものなのか、なおざりにすることもある。そういう意味では、枠組み・仕組み・中身の往還が不可欠といえる。

これをESD(持続可能な開発のための教育)に当てはめてみよう。

「持続可能な社会の創り手を育む」という枠組みを持った教育の仕組みがESDの実践方法であるならば、持続不可能な場面の認識から始まり、持続可能性を追求する仕組みに必要なものは、リアリティーを持った中身である。

ところで、現在、地域と共にある学校を目指した、学校運営協議会(コミュニティ・スクール)という仕組みが全国に出来上がりつつある。しかし、仕組みはあるものの、何に取り組めばいいのか、という課題に直面しているところをよく見かけ、地域と学校との近視眼的なギブアンドテイク論も散見される。

この学校運営協議会という仕組みを挟み込むものとして、ESDを位置付けられないだろうか。SDGsのようにESDは目標に向かう枠組みが明確であるからである。

また、わが国では人口減少や環境問題などによって、地域が持続不可能な状況に陥っているところが少なくない。一方で持続可能な地域を目指した「地域を学ぶ・地域で学ぶ・地域に学ぶ」中身が地域にはそろっている。この学び方はローカルに留まることなくグローバルにも展開できる。

持続可能な社会の創り手を育むためには、学校だけでは限界がある。学校・保護者・地域住民がこれに参画できれば、枠組みの具体化と実効性のある仕組みが出来上がる。どこに向かうかという枠組みと、どのように向かうかという仕組みに立脚した中身の関係性がここに見えてくる。

ESDと地域と共にある学校づくりの協働には、シナジー効果が期待できそうである。