(鉄筆)現在、日本各地で展開……

現在、日本各地で展開しているラグビーワールドカップは、日本の快進撃で予想以上の盛り上がりを見せている。

大会前半の話題は、何といっても予選プールAの日本-アイルランド戦であろう。優勝候補の一角とされるアイルランドを日本が19-12で破ったのだから。実況アナウンサーの「もう奇跡とは呼ばせない」の言葉は、日本のラグビーが世界のトップレベルに到達したのを物語っていた。

思い浮かぶのが、1975年9月24日、東京・国立競技場で行われたラグビーテストマッチの日本-ウェールズ戦である。試合結果は6-82と日本の大敗であった。得点差以上に多くの日本人が日本のラグビーと本場のラグビーの格段の違いを感じた試合であった。ウェールズの選手がボールを持って突進するのを日本選手が二人がかりでタックルに行くも、一人を抱えもう一人を引きずりながら突き進んでいく姿は、当時の同チームのニックネームである「赤い悪魔」そのものであった。

あの試合から44年。ワールドカップのチーム編成などルールも大きく変わったが、あのアイルランドを下したのは、紛れもない日本代表チームであり、新たな日本式スタイルのラグビーである。

これからの日本は、さまざまな人種・民族の人々が居住し共生するグローバル社会となる。その中で、われわれは日本の古くからの伝統と文化を失わず新しいものも取り入れながら、新たな国家像を創り出していかなければならない。そのモデルを、今回の日本チームは教示してくれたのではないか。