(円卓)現場で使われる副教材の提供を

玉川大学教授 樋口 雅夫

1年を通して、学校にはさまざまな省庁や自治体、団体などから副教材が届く。見本だけならまだよいが、時には児童生徒の人数分の副教材が届き「ぜひ授業で活用を」との依頼文が同封されている場合もある。

仕事柄、全国各地の教師にお会いする機会が多いため、これらの副教材の扱いについて聞いてみた。多忙な学校現場では、せっかくだから使ってみよう、と考える暇もなく、事務室や倉庫に保管されたまま、という話をよく耳にする。

一方で、実際に副教材を作成した省庁や自治体、団体の方々に聞いてみると、「せっかく多大な労力をかけて良いものを作ったのに、なぜ十分に活用されないのか」と、学校に対する戸惑いの声が返ってくる。

確かに、中には現場のニーズに全く合わない狙いを掲げた副教材もあるかもしれないが、多くには、現場で指導に困っている学習内容の効果的な取り扱いの方法が示されていたりする。にもかかわらず、なかなか使われない、のである。

「社会に開かれた教育課程」がうたわれる今、関係する専門家・専門機関の知恵が詰まった副教材の活用を通して、学校内外の効果的な連携・協働ができそうな気もするのだが。

現場で使われる副教材であるためには、学習指導要領および主たる教材である教科書との関連が明確に示されていることが欠かせない。つまり現場では、全ての児童生徒に対して指導するものとして、まずは学習指導要領の内容を確実に指導する。その上で、児童生徒の学習状況などの実態に応じて、必要がある場合は、各学校の判断により学習指導要領に示されていない内容を加えた指導も可能、とされているのである。

すなわち、学校で使われる副教材の必要条件は、学習指導要領および教科書に準拠しており、現場に余計な負担を課すものではない、と判断されるもの、といえよう。
また、学習指導案を掲載する副教材の場合、単元や本時の評価規準や評価の方法が、単元や本時の目標と併せて記載されているとありがたい。

各学校において教育活動を効果的に展開するためには、学校や教師の創意工夫に負うところが大きい。現場が安心して、無理なく使える副教材の、さらなる開発と提供を期待したい。