(円卓)子供の世界の再考

神田外語大学客員教授 嶋崎 政男





1985年6月に発出された文部省(当時)通知「児童生徒のいじめ問題に関する指導の充実について」の別添には、「友人間の問題の克服も、本来『子どもの世界』に託すべき部分が多い」としながら、「今日の児童生徒間におけるいじめが極めて深刻な状況」にあるため、「『子どもの世界』にあえて手をさしのべ」るとの基本認識が冒頭に記されている。

同じ年、文部省の座談会で「いじめ問題に最初に取り組んだのは昭和52年と発言(『中等教育資料』10号所収)しているので、「子どもの世界」に侵入して40年以上の歳月が流れたことになる。

定義の変更や法の制定など、さまざまな施策が展開され、その成果も多々挙げられるが、最も大きな収穫は「いじめを見逃さない・許さない」という世論の形成であろう。……

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