授業という営み

日々授業をつくり、実践し、振り返る一連の行為こそ、教師の専門性の中で最も問われるべき能力の一つだろう。しかし、実際の学校で教師が授業を創造する機会はそう多くない。つい昨年度と同じ授業を展開したり、やって終わりのままになっていたりしがちだ。本当にその授業が目の前の子供たちの学びにつながっているか、実践者として捉え直す必要がある。

鹿毛 雅治 著
教育出版
2800円+税

その捉え直しの視点として、授業のデザインからリフレクションまで多様な見方を提示している。テーマ別にさまざまな教師の実践を示しているが、中にはベテランであっても、容赦なく授業の問題点を指摘する場面もある。その指摘を踏まえて、次の授業でどのように改善していったのかをみると、授業という営みの醍醐味(だいごみ)を体感できるだろう。

一介の教師がどう授業の狙いを定め、授業を計画したのか。実践の場で、どのような学びが実践されていたのか。ぜひ、著者の目を通じてライブ感覚で追体験してみてほしい。そして、自分ならどのようにしたかと考えてみれば、きっと新たな気付きが得られるはずである。言うなればそれは、実践者としての新たな地平の開拓であり、教師としての成長でもある。

ある種のライブである授業をアカデミックに科学することには、まだ難しさが伴う。ただ、日本の教師には困難を乗り越えるだけのポテンシャルがある。その才能を開花させるためのエッセンスが詰まっている。