(鉄筆)現在進行中の高大接続改革は……

現在進行中の高大接続改革は高校教育、大学教育、大学入学者選抜の在り方を一体的に改革しようとするものである。大学入試制度の改革は高校教育ばかりでなく中学校教育にも大きな影響を与える。

大学入学者選抜が高校の出口なら、高校入学者選抜は入り口となる。出口が変わらなければ入り口も変わらない。普通科高校では多くの生徒が大学への進学を希望しており、センター試験対策を中心とした授業が行われてきた。センター試験の問題は知識を問う傾向が強いので、3年生の2学期にもなれば多肢選択問題の演習に充てている教員が多い。日頃の授業も知識を重視する傾向が強い。

高校入試も知識重視の傾向が強い。調査書(内申書)では観点別学習状況評価より評定が重視されている。

新学習指導要領の告示(2017年)とともに新しい指導要録の通知も発出(19年)された。指導と評価の一体化を推進する観点から、学習評価は観点別学習状況評価と評定の両者共に学習指導要領の目標に準拠したものとしている。

当然ながら学習評価は生徒の学習活動や教師の指導改善を目的として行われるものであり、高校入試を目的としていない。高大接続、特に大学入試制度が変われば、高校の学習活動・授業も新学習指導要領の趣旨に沿ったものとなり、入試問題も知識重視から資質・能力を捉えようとする方向に転換せざるを得ない。

高大接続改革が中学校の新学習指導要領への取り組みに与える影響は大きい。大学入学共通テストの英語に関わる混乱の早急な解決を願う。