(円卓)「いじめ防止対策推進法」に学ぶ

NPO法人ジェントルハートプロジェクト理事 小森 美登里

神戸市立東須磨小の教員間いじめ事件が発覚して以降、いじめ問題に対する見方は大きく変わったのではないでしょうか。いじめは子供だけの問題ではなく、全ての大人がいじめ、人権について学ばなければならないと認識する機会となったはずです。いじめ問題を学び、予防へとつなげなければならない訳ですが、日々忙殺されている現場の先生にとって、簡単ではないでしょう。

同時に、多忙を理由に子供の心と命に関わる問題を二の次にしてよいはずもありません。各学校に設置されているいじめ対策に関する委員会を機能させ法律を学び、それを子供たちと共に実践し、解決を目指すことはできないでしょうか。

大人が学びそれを子供たちに伝える、という今までの上下の関係ではなく、法律を通して子供と共に人権を守るための学びの時間を持つことが大変重要であると考えています。

現実に目を向けたとき、その土台となる法律をどれだけの大人が確かめたでしょうか。読んでいないとしたらそれは多忙だからでしょうか。そもそも法律は人間が生み出したものですから、完全なものではありません。問題点や機能不全の部分も明らかになり改善点も見えています。

2013年度にいじめ防止対策推進法が施行されて以降、改正は一度も実施されていません。その間にいじめ認知件数、不登校、自殺者は増え続けています。

教育関係者からは法改正に対して、いじめの定義の広さからの混乱、また先生方を多忙な状況へと追い込む、という反対意見があるようですが、これは誤解です。被害者の心が感じたものをまずは全てそのまま受け止め、正しい事実調査をすればよいだけです。「調べてみたらただの誤解だった」というのをいじめにカウントする必要はないのです。

問題なのは「正しい調査とは何か」を現場が学び、間違った対応を排除しなければならないという点です。初動を間違えて大きな問題へと発展させ、自身を多忙な状況へと追い込んでいるからです。

それを防ぐには、22条「いじめ防止等の対策のための組織」を充実させ学ぶことです。

先生方の多忙な状況を改善するとともに、よりよい法律へと改正し、子供と大人が一緒に学ぶことが重要と考えます。子供たちの心と命を守れる法改正が1日も早く実現することを望みます。