(鉄筆)2018年度の問題行動調査……

2018年度の問題行動調査によると、いじめ認知件数は過去最多である。滋賀県大津市教委のいじめへの対応の取り組みに関する記事に注目した(本紙11月4日付)。

大津市教委は、いじめ事案のデータ約9000件をAIで分析した実証実験を実施、一例として、いじめ発覚後24時間以内に加害者を指導した場合、事態の深刻化を防ぐ上でかなり効果があるとの結果を得た。今後、子供の行動をAIで分析し、それを活用する生徒指導が行われるだろう。同教委の今後の取り組みにさらに注目したい。

いじめ問題対策として「いじめ防止対策推進法」が定められ、いじめの定義は第2条に規定されている。教師はこの規定に基づいて対策を進めるが、「心理的又は物理的な影響を与える行為」や「行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているもの」と、広く捉えられるため、捉え方が一様とはならない。問題行動調査の結果からも自治体によって認知件数にかなりの幅がみられる。

最も重要なのは、子供たちが「いじめとは何か」を明確に認識していることである。そのためには、いじめの定義をキーワードとして分かりやすく指導しなくてはならない。

和久田学著『学校を変えるいじめの科学』(日本評論社)ではいじめを深刻化させるキーワードとして「アンバランス・パワー」と「シンキング・エラー」を挙げている。このキーワードについて学級活動の時間に話し合わせたり、いじめの深刻な事例をキーワードで分析したりする学習活動を、いじめ防止の一つの取り組みとして考えてみたい。