伸びる子どもは〇〇がすごい

ちょっとしたことで傷つき感情的になりやすく、打たれ弱い若者が増えている。社会に出れば注意や叱責(しっせき)を受ける機会もあるが、耐性のない彼らはひどく落ち込んだり反発したり。また指導する立場の年長者も、近年はトラウマ、パワハラという言葉が脳裏をかすめて厳しく叱れない。こうした悪循環の構図にピンとくる人も多いのではないか。

榎本博明 著
日本経済新聞出版社
850円+税

「かかわると面倒くさい人」「他人を引きずりおろすのに必死な人」など、職場や友人関係における「困った人」への対処法を解き明かす著書で知られる心理学者・榎本博明氏の新刊。40年近く学生たちと接してきた中で感じとった若者の変容は、大人たちが先回りして過保護な環境をつくり、子供たちから失敗を経験する機会を奪っている点にあるのではないかと提言する。

学習指導要領でもうたわれているように、早い時期からの非認知能力育成が重要であることは論をまたない。メディアでは早期教育の必要性をあおってさまざまな方法論が喧伝(けんでん)されているが、これらが本当に必要なのかどうか。また日本でも注目を集めたペリー就学前計画についても言及しており、興味深い。

具体例を挙げながら解説する内容は分かりやすく、大人でも陥りやすい感情のつまずきの原因も見えてくる。タイトルの「〇〇」に何が入るのかは、読み進めていくうちに分かるはずだ。