レディオワン

斉藤倫 著
クリハラタカシ 装画
光村図書出版
1200円+税

「みなさん、こんばんわん」――月曜の夜、お決まりのあいさつで始まるラジオ番組<レディオワン>のDJジョンは、いぬの気持ちが分かる軽妙なトークで大人気。

それもそのはず、DJジョンの正体は、ひょんなことから言葉が話せるようになったいぬのジョンだった――。

飼い主の深い愛情、ラジオ局の西園寺さんの仕事に対するまっすぐな姿勢、公園で出会った女の子にかかったかなしみのもや。周囲の人々がふとした瞬間に見せる小さな心のあやも、常に彼らに寄り添い見つめているジョンは見逃さない。

胸の中はいつだって饒舌(じょうぜつ)なのに、伝えるすべを持たなかったジョンは、ラジオという空間を通して、多くの人々と心を通わせていく。

後半はちょっとしたミステリー要素が加わり、ハラハラする場面も。物語の世界に引き込まれる。

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