(鉄筆)新型コロナウイルスの……

新型コロナウイルスの感染者数が各地で減少し始めた。それを受け、またまた聞きなれない言葉が登場した。「出口戦略」である。従来使われてきた工程表(行程表)のことを示しているようだ。

今回、非常に分かりやすい「出口戦略」を示したのが大阪府の吉村洋文知事である。非常事態宣言を受けての外出自粛や休業要請などを解除する指標を数値化し段階的に解除する方向を府民に示した。さらにこの指標の達成度を大阪のシンボルタワーである通天閣と太陽の塔に色別にライトアップするといった誰でも分かる情報提供もしている。

これを聞いて、ある小説を思い起こした人も多いだろう。2009年に刊行され映画にもなった万城目学氏の『プリンセス・トヨトミ』(文藝春秋)である。400年にわたり豊臣秀頼のご落胤(らくいん)と明治政府から大阪府に与えられた特権を守ろうとする大阪府民と、それを覆そうとする会計検査院職員との攻防を描いた作品だ。

この中で大阪府民全員が決起する合図として、大阪城を真っ赤にライトアップする方法が採られている。吉村知事がこれを知っていて今回の対策を考えたかどうかは分からないが、おそらく府民からは好意的に受け取られているのではないか。

学校経営でも校長は経営戦略として大阪のような工程表を示すことがある。その是非は誰にでも分かりやすく協力しやすいものであるかどうかということが肝心だ。今、各学校の管理職は見えない出口への模索をしている。分かりやすい工程表を今すぐ作ることが国の責務である。

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