学びの羅針盤 ラーニングアナリティクス

「教育や学習の現場で何が起きているのか」「どのような要因が成功・失敗を分ける可能性があるのか」などについて、客観的に解析する研究分野「ラーニングアナリティクス」の入門書。

古川雅子、山地一禎、緒方広明、木實新一、財部恵子 著
丸善出版
760円+税

近年、インターネットを活用した学習に必要なウェブサービス「学習管理システム」を導入する大学が増えた。

各学生の学習教材の配信や履修状況、成績といった情報を一括管理できるようになり、「学習者がどの教材の何ページを閲覧したか」「どの問題にどのくらい時間がかかったか」に関するデータを収集し、苦手な箇所を重点的にアプローチすることが可能になったという。

さらに、得られたデータから退学しそうな学生を予測できるようになったことには驚きを隠せない。

中盤では各国のラーニングアナリティクスの導入例が紹介され、ただデータを集めて分析する段階から、組織的に導入する段階に進んでいると記す。日本の遅れが懸念されるが、九州大学では先進的な取り組みをしており、「Moodle」というシステムを採用し、レポート提出の簡易化、小テストの自動採点などが行われている。

人権やプライバシーに対する意識が高く、データに管理されることに嫌悪感を覚える人は日本に少なくない。ましてや教育分野であればその傾向はより顕著だろう。ただ、正しく運用することができ、正しい方向で学習するための手助けになる。教育現場のICT化の促進を待ち遠しくさせる内容だ。

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