(円卓)学力向上につながるR80

Findアクティブラーナー参与 中島 博司

「学力向上につながらなければ、アクティブ・ラーニング(以下、AL)は消えてしまうのではないか」。2016年4月、茨城県立並木中等教育学校校長になった私は、桜を眺めながら考えていた。全ての学校で、児童生徒の学力向上は大きなテーマ。必死に方策を考えていた。

5月、ついに究極のアイテムを考案した。「R80」(アールエイティー)である。

基本構造を説明しよう。Rは「リフレクション(振り返り)」と「リストラクチャー(再構築)」のR。80は、自分で80字以内の文章を書くという意味。ALの最後に振り返りとして、再構築して80字以内で書く。必ず2文で書き、2文を接続詞で結ぶのが最大の特徴。

学力の3要素の一つである「思考力・判断力・表現力」とともに「論理力」を育成し、学力向上につなげようと考えた。「論理力」とは、「相手の主張の筋道を読み解き、自分の考えを整理して伝える力」。これは、現代文のカリスマ出口汪(でぐち・ひろし)氏の定義である。

全国各地でのAL講演会で「なぜ80字なのですか」と聞かれることがある。私はかつて日本史の教科書を執筆していた。その時、編集長に「長い文章はダメです。理想は1文50字前後です」と言われた。

50字×2文だと100字になるが、3桁だと多いと感じる。次の90字は語呂が悪い。80字は、文字数的にもデザイン的にもベスト。「アールエイティー」というオシャレで軽やかな読みにした。特殊アイテムは、デザインやネーミングが命である。

現在、全国の多くの学校で「R80」を使ってもらっている。高校だけでなく、小学校・中学校での活用例もある。「文章がすらすら書けるようになった」「よく考えるようになった」「白紙答案がなくなった」「確実に学力が向上した」といった報告が多くある。

さらに、「書く力」だけでなく、「話す力」が身に付くことも分かった。授業だけでなく、学校行事、部活動、手帳での活用例もある。「R80」が広まった理由は、シンプルだからだと思う。先生方が、自由にいろいろな場面で活用しやすいのだろう。

私は、並木中等教育学校校長を4年間務め、この3月に定年退職した。4月からは、株式会社Findアクティブラーナー参与、一般社団法人アクティブ・ラーニング協会代表理事に就任した。これからも、「種まく人」として走りたいと思う。

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