「なぜ」で学習指導要領を読み解く 社会科授業のヒント

学習指導要領の改訂に伴い、これまでにない内容や教材が追加されたり、指導する学年が移行されたりするなど小学校の社会科授業にさまざまな変化が生じた。変更の意図については学習指導要領内では触れられておらず、どのように解釈すべきか頭を悩ませている教師は少なくないだろう。

北俊夫 著
文溪堂
1200円+税

本書の冒頭に、「『なぜ』が分かると、授業が変わる」と記されているように、より質の高い授業を作るため、学習指導要領内で使用されている文言や変更箇所を掘り下げ、あらゆる「なぜ」を解き明かしていく。

内容は、「なぜ、『学力』と言わずに『資質・能力』と表現されているのですか」といった学習指導要領に関する前提を掘り下げる「総論」に始まり、3年では「なぜ『市の移り変わり』を取り上げるようになったのですか」、6年では「なぜ、歴史の学習の前に『政治から学ぶ』ようになったのですか」など、学年ごとに7~8つの疑問を設け、これらの「なぜ」を簡潔かつ丁寧に解説する。

「あとがき」では著者自身が抱える「なぜ」も添えられており、取り上げる内容が増えたにも関わらず授業コマ数が以前と同じことに、「年間授業時数のことに配慮して改訂されたのかという疑問が付いて回ります」という鋭い指摘には、現場の教員に寄り添った優しさが感じられる。

今後も改訂は行われるだろうが、「今やるべきこと」だけでなく、「今後できること」も意識しながら読み進めたい。

あなたへのお薦め

 
特集