(鉄筆)「徒然草」の……

「徒然草」の「改めて益(やく)なきことは改めぬをよしとするなり」(一二七段)は、当然といえば当然の言葉ではある。しかし、益があると考え改めようとして、改めないままお蔵入りしたものや改めたもののかえって悪い結果を招来してしまったという事例も少なくはなく、改革とは実に難しい。

そんなことを考えていて、これまで日の目を見ず、忘れ去られたかにみえる教育改革を思い出した。

その一つが「学校から『合校(がっこう)』へ―学校も家庭も地域も自らの役割と責任を自覚し、知恵と力を出し合い、新しい学び育つ場をつくろう」とした経済同友会の提言(1995年4月)、いま一つが、「日本のフロンティアは日本の中にある 自立と協治(きょうち)で築く新世紀」と題した「21世紀日本の構想」懇談会の提言(2000年1月)である。

前者は、学校をスリム化すべく、中核となる「学校(基礎・基本教室)」の周辺に、教員のほか、各界の専門家、民間教育機関、地域の人材などを指導者とする「自由教室」「体験教室」を配置するというものであり、後者は、「義務教育の教育内容を5分の3にまで圧縮し、義務教育週3日制を目指す」とするものである。

これらの提言が現実化しなかったのは、あまりにも革新的、大胆な提言で、時や人心など機が熟さなかったからであろう。

コロナ終息が見通せず、学校教育の在り方を根底から見直すことが求められるこの時期、こうした提言を俎上(そじょう)に載せ、国民的議論を巻き起こせば面白いと思う。

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