(円卓)AIは持続可能な社会を阻むか

大阪府立大学教授 伊井 直比呂



昨年度、私はある中学校で開催された公開授業研究会に参加した。教科は「公民」で、内容は人権の授業をもとに現代社会の問題と未来社会に予測される問題を捉えて「自分たちで法律を作り、なぜその法律が必要で、何を守るのか」を発表する授業であった。

この授業を計画した先生の着想に敬意を持つと同時に、私は生徒の現代・未来社会への洞察力と問題点を抽出する力にも驚かされた。発表は、まさに中学生という年代から見える「社会」そのものが反映されており、大人が可視している社会とは異なる諸相が浮かび上がった。

その中に、やがて人工知能(AI技術)が人間知を駆逐する時代が到来する不安に基づく発表が複数あった。……

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