学級経営大全

学級崩壊という言葉を聞くようになって久しく、教師は授業の指導力だけではなく学級をより良い方向に導く経営力も求められるようになった。

赤坂真二 著
明治図書出版
2000円+税

本書では、「自他を尊重して人権に関する問題『必然的領域』」「教師による計画的な指導や援助『計画的領域』」「問題解決や学校文化の創造に関わる『偶発的領域』」、この3つの領域から『学級経営』が成立すると捉え、教師に必要なスキルを説く。

序盤は、落ち着きに欠けたり、粗暴な言動が目立ったりなどして集団に順応できない「気になる子」の多様なパターンや家庭内と教室内のギャップに触れ、気になる子がクラスを壊す段階を5つに分けて解説。各段階に応じた適切な対応や気になる子との接し方を記す。

中盤では、コミュニケーションの重要性を言及。コミュニケーションの量や質の低下の原因を、インターネットの普及によるものと強調し、生徒に話し掛ける前に覚えておきたい、「最近の子供」というもやのかかった存在を捉えるヒントを示す。

終盤のいじめ対策に関するトピック内の「いじめ指導の一番の大きな問題は、『いじめがないこと』が前提になっていることだと思います」という指摘にはハッとさせられる。問題を感情的にならずメタ的に捉える視点は興味深い。

教師を経営者、生徒を従業員とすることで、教室内で起こるさまざまな問題に対処するための心構えや方法が見えてくる。

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