(円卓)小規模校化と少人数に対応した指導

北海道教育大学へき地・小規模校教育研究センター センター長 玉井 康之

全国的な少子化に伴い、地方では小規模校化が急速に進行している。それに伴って学校統廃合も進んだが、地理的・通学的条件によって統廃合できない地域も増えている。この小規模校化の傾向は全国的に拡大し、今後は少人数に対応した指導方法の導入が求められる。

少人数学級では、個々の子供の状況を把握できるため、子供たちに学級運営や学習活動を任せた上でアドバイスや修正を施すことが可能である。討論・運営の仕方などの基本的なルールを学習した上で、例えば行事の企画・準備・役割分担も子供たちに任せるなど、全員が何らかの役割や活動企画などを主体的に担うように指導できる。

少人数の人間関係は支え合う協働関係を作りやすいために、特定の子供に固定した役割分担ではなく、皆が交代であらゆる役割を経験しやすい。そのため小規模校では社会性・リーダーシップの素養も大規模学級よりも経験させやすい。

学習活動も通常教師が担う「前時の確認」「目当ての確認」「教科書輪読」「体験的活動」「一人思考・問題解答」「解答合わせ」「グループ討論」「発表」「まとめの確認」などの指導も、教師が細かく発問・指示をしなくても、子供たちで進めながら教師がアドバイスする展開が可能である。

また少人数ではICTによる全員画面交流・探究的な活動・個別活動・思考時間を増やすことができる。さらに授業時間内外のノート指導・個別添削などで個別指導を補完できる。

教師の指導を子供に任せやすいのは、やはり少人数で全ての子供の活動・思考が見えるからである。また発言者を選んで授業を展開するよりも、少人数であれば必ず全員が1日や1週間の中で発言・発表するような全員参加型の授業を展開できるからである。

すなわち全ての子供による自主的な活動を増やすことで、全ての子供に合ったインクルーシブ教育ができる。そして生きる力の要素として、発達段階ごとに「思考力・判断力・表現力」や「主体的・対話的で深い学び」の機会を増やしていくことができる。

実はこのような活動は、へき地・小規模校で少なからず実践しており、へき地教育から学ぶ内容が多い。

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