AI時代の教師・授業・生きる力

AI(人工知能)が着々と台頭を見せており、IT業界に勤めていない門外漢であっても、もう知らん顔はできない。編集者は「10年後の『教育現場』には、私たちが望む望まないに関わらずAIが普及・浸透しているでしょう」と警鐘を鳴らす。

渡部信一 編著
ミネルヴァ書房
2600円+税

本書では、AI時代に求められる「教員養成・教員研修」「授業」「生きる力」について、教育分野に携わる各分野の専門家である執筆者が、実際に教育現場で取り組んでいるワークショップや理論的な考察をつづる。

書名にある通り、AIを中心に論じられてはいるものの、プログラミング教育やデジタル教科書といった幅広い分野も触れており、教育現場に浸透しつつあるICT化の実態を知ることも可能。

各章には編集者と執筆者のディスカッションも掲載され、教育現場のリアルを知る執筆者の話は、非常に具体的かつ実践的で、教育現場の未来を考える大きな助けになる。

学習の幅を広げるだけでなく、教師の長時間労働を是正するなど、AIが普及するメリットを多く指摘しているが、「テストで問われる内容を学ぶことにICTを活用する必要性は今のところ特にないということです」「本来人に備わっているはずの直観力を、テクノロジーの導入によって退化させることのないようにしなくてはなりません」といった留意点を示しているのは面白い。教材や教え方などが変わっても教育の本質は変わらないのだと気付かされる。

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