(鉄筆)「読書を通じて、未来を……

「読書を通じて、未来を担う子供たちの想像力と勇気を育みたい」という願いを込めて、建築家の安藤忠雄氏自らが設計・建設し、大阪市に寄贈した「こども本の森 中之島」がこの7月にオープンした。

ここには、乳幼児から中学生を対象にした絵本や児童書など約1万8000冊が並べられている。氏によると、こうした図書施設を、「復興は人づくりから。被災地の子供たちが自分の力で勉強し、前を向いて生きられるよう」との思いから、阪神淡路大震災の被災地神戸や東日本大震災の被災地に近い岩手県遠野市にも整備し、市に寄贈する計画だという。

ところで、20年も前、「21世紀に生きる君たちへ」(小学校国語教科書収録のために著した作品)のメッセージを残した司馬遼太郎氏の遺志を受け継ぐべく、著名人が小学校などで自らの体験を語る「かがやき未来塾」で、安藤氏は、子供たちに「力を合わせて自然と共に生きる」という話をしている。(『生きるとき大切なこと 司馬遼太郎さんの想いを継ぐ21のメッセージ』(東洋経済新報社))

そこでも、建築家としての経験や阪神淡路大震災の復興への活動体験をもとに、未来は可能性にあふれており、その可能性の実現に向けて、勇気と自由な創造力をもって世界に羽ばたいてほしいと切々と語っている。

それにしても、安藤氏の未来を担う子供たちへの一貫した強い思いに感動を覚える。と同時に、子供たちもまた、その期待に応え、心豊かに勇気をもってポジティブに生きていってくれることを願わずにはいられない。

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