(円卓)「早起きは三文の得」は確かである

千葉敬愛短期大学学長 明石 要一

「早起きは三文の得」と祖母に言われて育ってきた。子供ながらどうして早起きがよいか、分からなかった。「三文ってどのくらいなの」と尋ねた記憶がある。

高校受験の頃、勉強時間は「朝型」「夜型」のどちらが適しているか悩んだことがある。試してみたがどちらも効果がなかったのを覚えている。

「早寝早起き朝ごはん」を進める国民運動がある。この運動が起きて13年ほどたつ。各地でさまざまな催し物が目立つ。幼児教育界は率先してこの運動を引っ張っている。朝ご飯をしっかり食べる子供が増えている、というデータがみられる。しかし、この運動をトータルに検証したエビデンスはこれまでなかった。

先般、「早寝早起き朝ごはん」全国協議会が行った調査結果が報告された。これは、全国18歳から65歳の男女5000人を対象に、子供の頃の基本的な生活習慣と大人になってからの資質や能力、それから生活態度の結び付きを調べている。興味深い結果が読み取れる。

それらの中から三つ指摘する。

一つは、子供の頃早寝早起き朝ご飯をしっかりしていた人ほど、現在仕事が生きがいとなっており、自分が好きであるという自己肯定感が高いのである。

二つ目は家庭の経済状況に関わらず、早く寝て早く起き、朝ご飯をしっかり食べた人ほど人間関係能力が高く、丁寧な言葉遣いができている、という。

三つ目は早く起きて、子供の頃「朝活」をした人ほど規範意識が高く、へこたれない力を持っているのである。ここでいう「朝活」は、縄跳びや駆けっこといった運動、朝読書、家事のお手伝い、それから勉強(宿題を含む)などである。

「早寝早起き朝ごはん」という言い伝えは、やはり「三文の得」なのである。データからも裏付けられたのである。これで、昔からのもやもやが解消できた。

それだけではない。この調査から得られたヒントは子供の頃の「朝活」の効用である。早く寝て早く起き、朝ご飯を食べるだけでなく、朝のちょっとした時間にさまざまな活動を行うことが生活リズムを作るようだ。ただし、「テレビゲーム」の遊びは、なぜかプラスになってはいない。これも注目すべきエビデンスである。

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