未来の学校 ポスト・コロナの公教育のリデザイン

石井英真 著
日本標準
1600円+税

新型コロナウイルスの影響により顕在化した問題や現状の不備をまとめ、このコロナ禍を転機とし、より質の高い学校づくりを行うための方法論を5章に分けて訴える。

第1章では、密を避けることに意識を取られると、アクティブラーニングどころか、一方通行の授業に逆戻りすることに警鐘を鳴らし、「現在の遠隔学習が投げかけている課題は、『授業を進める』ことが、『学ぶ権利を保障する』ことになっているとは限らない」と授業の成立が目的化していると教育現場に辛口な評価を下す。

さらに、「子どもたちを飽きさせないために実習やグループ活動でお茶を濁すこともできなくなり、このような状況だからこそ、教材のネタや教材提示や授業の組み立ての工夫が重要です」と手厳しい意見も記し、ウィズコロナ時代だからこそ、見直さなければいけない授業観を随所に提示する。

「義務教育制度の草創期」や「学校制度の量から質への重点移行」といった学校教育の歴史を振り返る第5章を最後に持ってくる構成も面白い。受験競争を効率的かつ合理的に突破するパッケージ化された教育が求められ、適切な理解をしていないまま非認知的能力の養成が礼賛されている昨今の風潮を鋭く考察したうえで、学校がこれまでどのような経過を経てデザインされてきたのか、その歴史をたどることで、リデザインするための道筋をイメージしやすくしてくれる。

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