(鉄筆)「我慢の3週間」……

「我慢の3週間」―日本医師会の中川俊男会長が11月下旬に記者会見した際の言葉である。それから3週間以上が経過した。感染者数は同会長の言葉をあざ笑うかのように増大していった。土日の観光地や繁華街には人があふれ、国民にも政府にも「ゆるみ」が見える。

埼玉県内の中学校でクラスターが発生。合唱コンクールの練習が原因ではないかとされている。12月10日、文科省は全国の教育委員会に合唱時の新型コロナ感染症対策の徹底に関する通知文を出した。

第三波とされる最近の感染状況の特徴は、20代の若者に多いが小中学生に感染者は少ないと言われてきた。今回の合唱練習におけるクラスター発生はこうした説を覆し学校現場に緊張感と恐怖感を与えた。

合唱が「至近距離」「マスクなし」「大きな声」といった飲食や会食での感染時の状況と似ており危険であると関係者の間では指摘されていた。全日本合唱連盟は6月にガイドラインを発表している。クラスターのあった中学校では十分にそのガイドラインに書いてある状況を設定できなかったと思われる。

合唱コンクールは中学校において運動会、修学旅行と並び学校行事の花形である。多くの中学校で運動会や修学旅行が中止となる中、3年生にとって唯一残されたクラスメートとの思い出作りが危機にさらされている。文科省は合唱コンクール中止の指示までは出していない。今後、学校関係者にとって中止か実施かの選択が迫られるが、春の休校後に再開した時の緊張感と緻密さを思い出し適切な判断をしてもらいたい。

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