(鉄筆)日本の木造建造物の保護……

日本の「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」が国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されることになった。建造物修理、建造物大工、檜皮葺・こけら葺き、茅葺、檜皮採取、日本産漆生産・精製、縁付金箔製造等々、木造建造物の保護に不可欠な知識や技能が世界に評価され喜ばしい。

登録対象は宮大工や左官職人らが継承する保存修理に関する技術で、国の「選定保存技術」として14の団体が守り伝えてきた。今回の登録に関係者からは「喜ばしい半面、われわれが絶滅危惧種と認定されたようなもの」との声もある。

いずれの団体も担い手不足が深刻だ。一人前になるのに時間がかかり採用や育成にかける余裕もない。200人いた漆職人は約30人、厚さ1万分の1ミリの縁付金箔の職人は20人しかいないとのこと。絶滅寸前の状況といえる。

国も公的支援を進め、各団体も技能養成事業を始めて若手を増やす努力をしている。平城宮跡に復元された大極殿のように伝統技法と材料で歴史的な木造建造物を再現する「再現文化財」の建築も奨励されている。

こうした取り組みを学校でこれまで以上に取り上げ、子供たちに学ぶ機会を提供したい。小学校社会科4年で県内の文化財や年中行事、6年でわが国の代表的な文化遺産、中学校社会科歴史分野で身近な地域の文化遺産を取り上げる。これらの学びを通して「伝統建築工匠の技」とその継承、発展に関心が持てるようにしたい。今ない仕事を創ることも大切だが、今あって続けつなげるべき仕事も大切にしたい。

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