(鉄筆)学校側の求人情報を提供……

昨年12月27日、萩生田光一文科相は、コロナ禍で雇用の維持を図る企業の人材を学校にも活用したいとして、学校側の求人情報を企業に提供するデータベースを文科省のホームページ上に開設すると発表した。

同省が想定する学校側の求人とは、進路相談や面接の練習の指導、英語の授業の講師、部活動の指導員、商業学校でのビジネス実務の指導などを挙げている。

確かに高校での就職相談などは教員が担当するよりも専門家に任せた方がよいと考えるのは自然かもしれない。教員の働き方改革にもつながる。問題は、学校が求める人材と応募する人の思惑が一致するか。

民間企業の人材を学校現場に活用することは新しい話ではない。東京都が2000年に都立高校に民間人校長を任用し、以来、全国各地で広まったのも一例である。さらに、文科省の「チームとしての学校」事業で教員以外の人材が現在学校に配置されている。それらが成功するか否かは、雇用された人間が学校文化をいかに理解し自分の経験をその文化に融合し応用できるかにかかっていると言ってもよい。

中学校がこの政策で一番期待するのはおそらく部活動指導員であろう。ただ、午後4時から2時間程度の時間帯であること、「部活動は教育の一環」との考え方、思春期の中学生を指導することの難しさなど、民間人にとってハードルが高い仕事であることは違いない。指導が始まり途中で指導から離脱では生徒の心が傷つくだけである。文科省は雇用の機会を仲介するだけでなく学校文化理解のための事前研修にも配慮すべきだろう。