(鉄筆)小学校全学年35人学級は……

「一気に採点できるのは30人くらい。それで一息入れないと、後が続きません」。昨年、小学校の若い教師と交わした会話である。「テストの採点がこのような感じなので、あとは推して知るべしです」

採点以外にも、教師は日々の教育活動で児童生徒数の壁との対応を余儀なくされている。財務省の予算の担当者は、授業中、教師は黒板の前に立ち児童生徒に向かって一方的に学習内容を解説していると思っているだろうか。もしそうならば、一度、小中学校の授業を見てどのように指導をしているかを見るべきだ。

個々の児童生徒の反応を見取り、それに応じた支援をしている様子を見れば、1学級の児童生徒数が少ない方が良いことを肌で感じるだろう。

どんなに大人数でも児童生徒の考えていることを把握し支援できるスーパー教師ばかりではない。ベテランの教師が退職し、若く経験の浅い教師が多いのが現実だ。そういう条件の中で、TIMSSの調査結果に見られるように国際的に見ても高い水準を維持するとともに、「勉強が楽しい」という児童生徒を増やしている。

昨年12月17日、文科相と財務相との大臣折衝で、来年度から小学校において1学級の児童数を35人以下にしていくことで合意した。小学校の全学年の1学級の児童数の上限を引き下げるのは約40年ぶりとなる。今回の35人学級は小学校のみであり、中学校は含まれていない。しかも、5年かけて35人に段階的に引き下げるというものである。今回の少人数学級の措置は通過点の一つであるということを改めて認識する必要がある。

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