めいたんていサムくん

那須正幹 著 はたこうしろう 絵
童心社
1100円+税

小学2年生のサムくんは推理が得意。空色のハンカチの匂いを嗅ぐと頭が冴えわたり、これまでいろいろな事件を解決してきた名探偵だ。本書では、クラスメートのタケシくんのなくなった上靴を探す「タケシくんのうわぐつ」、3年生のハルミさんに付きまとう野良犬を調査する「のらイヌのひみつ」など、3つのエピソードが収録されている。

全体的に小学校低学年向けらしいポップなストーリーではあるが、公園で遊んでいた隙に盗まれたミクちゃんの大切にしていた人形を探す「きえたおにんぎょう」は、道徳の教科書で扱われても良いと思えるほど秀逸。犯人が犯行に至った“動機”が非常に複雑で、謎が解けたことで得られるカタルシス以上のモヤモヤ感を胸に残す。

大人と一緒に読むことで、子供の善悪に対する考え方をより深めることができそうだ。