お蚕さんから糸と綿と

大西暢夫 文・写真
アリス館
1500円+税

昔は日本中で育てられ、世界一の生産量を誇ったお蚕さん。今でも養蚕農家として残っているのは、滋賀県と岐阜県の境にある山麓の集落にある一軒だけである。現在でも一家で春と秋の2回、1万頭以上のお蚕さんを育て、糸とりまで行っている。

それが生糸になり、真綿にもなる。体長1センチメートルにも満たない生まれたばかりのお蚕さんが、大量の桑の葉っぱを食べて大きく成長し、細い繊維を吐きながら繭になる。その繭から1本の糸が完成するまでの仕事の様子を、写真とともに解説している貴重な1冊である。

日頃忘れてしまっているが、糸や綿は命あるものから生まれてくるということに気付かされる。軽くて暖かい布団やジャンパーのぬくもりは、小さな命の暖かさなのだと改めて感じる。ぜひ子供たちにも知ってもらいたい。

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