学校事務クロニクル 事務職員の過去・現在・未来

中村文夫 著
学事出版
2800円+税

学校は多くの職種の人たちが集まり、それぞれの役割を果たしながら子供たちの学びを支えている。本書は、学校事務職員に焦点を当て、近代公教育制度の始まりから学校事務職員の歴史をたどり、将来に向けて事務職員の必要性を模索する。

大きな特徴は、地方自治としての公教育、教育機会の平等、公教育の無償、職種間の尊重に基づく協働などについて、理念だけに留めず、近代に対応して実体化するための術を投げ掛け、そこに学校事務職員の新たな役割を見いだそうとしている点である。

構成は、▽世界に類をみない学校事務職員の過去、現在、未来▽学校事務職員前史(第1期学校事務職員)▽学校事務職員(第2期)の出発(1940~1955年)▽学校事務職員の確立と転換(20世紀後半)▽学校事務職員の変質 新自由主義的展開▽学校事務職員の未来は…教育は学校を必要としていない?――の6章。

学校事務職員はこれからどこに向かっていくのか、を考えるきっかけとなる。歴史的な検証から学校事務職員が提供できる付加価値として、教育機会の平等を具体化すること、学校を包括的地方公共施設へと機能を複合化させていくことを提示。最終章では「21世紀型学校事務領域」として、総務事務縮小、まちづくりと一体の学校、普遍主義の教育福祉、無償教育に向けた学校財政の4領域に分け、学校事務の再構築を図ることを提言している。