家庭、学校、職場で生かせる! 自分と相手の非認知能力を伸ばすコツ

中山芳一 著
東京書籍
1700円+税

幼児教育の現場に留まらず、社会的にも関心が高まっている“非認知能力”。本書では、非認知能力の第一人者が、その概要から伸ばし方まで詳細に記している。

序盤、自制心や忍耐力といった〝自分と向き合う力〟、向上心や自尊感情といった〝自分を高める力〟、共感性やコミュニケーション力といった〝他者とつながる力〟の3つの群に分類。加えて、イラストやグラフなどを使用するなど、非認知能力という抽象的なスキルを徹底的に分かりやすく解説している。

中盤では非認知能力を伸ばすコツとして、フィードバックの重要性を主張。その伝え方やタイミングといった適切な方法論が展開される。コミュニケーション面の指摘だけでなく、環境や教材などの「ギミック(仕掛け)」についても色々な事例を用いて触れられており、多様な視点から非認知能力を向上するためのアプローチを示す。子育て本という枠から飛び出し、ビジネスシーンや自己啓発に応用可能な内容となっている。

そして、「第1章のおさらい」「第2章のおさらい」と各章の要約が終盤にまとめられており、時間がない人でも非認知能力の要点を押さえられるのはありがたい。認知能力と違い数値化しにくく評価が難しいため、扱いにくい印象が強かった非認知能力だが、読み終わった後には納得感を得られるだろう。明確な正解が存在しないこれからの時代を生き抜くための指南書となる一冊。