ワークルール教育のすすめ

道幸哲也 著
旬報社
1200円+税

近年、徐々に認識されるようになってきた「ワークルール」教育の必要性。背景にあるのは、社会問題化している若年労働者や学生のブラック企業・ブラックバイト問題、増加する非正規労働者の更新拒否や賃金格差、さらには正規労働者についても長時間労働やメンタル不調などがある。労使紛争はいつ誰にでも起こり得ることで、働く上で「ワークルール」の知識を持つことは必要不可欠となってきている。以前からの「労働法」教育が、職場や労働を巡る法の理論面を教育するのに対して、「ワークルール」教育は、職場で働く際に自らの権利を実現するための教育である。

学校教育で「ワークルール」について体系的に扱うのは高校段階で、現在「現代社会」「倫理」「政治・経済」の各科目で触れている。2022年度からは全員が履修する「公共」で「雇用と労働問題」について詳しく取り上げるとされている。

本書では、第1部で「ワークルール」教育の基礎知識と著者の行ってきた具体的な取り組みを中心に紹介。第2部では、最近の裁判例を紹介しながら権利主張に対する職場の抑圧システムを検討する。続く第3部では、「ワークルール」教育を進める上で検討すべき論点を整理。さらに「ワークルール」教育として実際に何をどう教えるべきか、一つの試みを検討、紹介している。

「ワークルール」教育の基礎から、どう実践していくべきかまで網羅する解説書である。