(円卓)ESD・SDGsにみる不易と流行

中部大学教授 宮川秀俊

学校教育では、1970年代より欧米で行われているSTS(科学・技術・社会)教育が紹介され、わが国でもその広がりが見られた。また、90年代より米国を中心としてMST(数学・科学・技術)教育の実践研究が展開された。

そして、2000年代に入り、世界規模でSTEM(科学・技術・工学・数学)教育に関心が持たれ、さまざまな実践例が示されている。このように、その時々において必要とされる新たな教育の内容と方法を指向して、効果的かつ効率的な教育の質的検討がなされてきた。

一方、国際社会の動きとして、開発途上国の課題がMDGs(ミレニアム開発目標、00~15年)として取り上げられ、この後継とするSDGs(持続可能な開発目標、15~30年)が、全ての国・地域の共通課題として取り組まれている。もちろん、わが国でも一般社会と共に、学校教育の新教育課程において、「持続可能な開発、持続可能な社会の創り手」などの言葉を呈して、これからの教育の内容と方法に深く関わることが求められている。

上記2つの事象に共通して大事なことは、各々のテーマの中にある教育の内容と方法の〝不易と流行〟を見極めることである。言うまでもなく、時代が変わっても変わらない〝不易〟のものと、時代と共に変わる〝流行〟のものの、それぞれの価値である。前者は、教育の理念や目的に基づくものであり、後者は、教育学や心理学の発展やコンピュータ―に代表される科学技術の進歩を駆使するものである。

先日、「ESD・国際化ふじのくにコンソーシアム」の評価会に参加した。そこでは、幼児教育を基軸として、ESD(持続可能な開発のための教育)、SDGsに関わる多種多様な取り組みがなされていた。

コンソーシアム事業として、活動内容は社会的背景を急性的な危機と慢性的な危機とし、また短期的な課題と長期的な課題として整理されている。活動方法は個人的な解決や組織・団体、地方自治体、教育委員会などの解決として、適材適所の采配が見られる。この中で、幼児教育について遊びを通してのものづくり、動植物との触れ合い、自然体験などの〝不易〟のもの、ノットワーク、インターネット・ウェブサイトの利用などの〝流行〟のものは、不易と流行を功用した取り組みと言えよう。