創造する心 これからの教育に必要なこと

マーヴィン・ミンスキー著
オライリー・ジャパン
2400円+税

人工知能分野の創始者として先駆的な研究を続けてきたマーヴィン・ミンスキー博士が、「子供と教育」について書き残した考察をまとめた貴重な一冊。

マサチューセッツ工科大学においてメディア・アートと科学の教授、電気工学科でコンピューター・サイエンスの教授を務め、人工知能の研究にまい進したミンスキー博士。その研究の中心に据えていたのは意外にも、「人工知能研究」による知見に「児童発達心理学」を組み合わせた「心の社会」の理論だった。教育界は時代遅れの考えにとらわれていると感じていた博士が発するメッセージは、「子供は早い時点から何らかの専門家になるべき」ことや「ロール・モデルとなるメンターをもつことの大切さ」を指摘するなど、研究者として生きた独自の洞察と知恵が詰まっている。

6つのエッセイが紹介されており、テーマは「無限の組み立てキット」「数学を学ぶのはなぜ難しいのか」「年齢別クラスの弊害」「ロール・モデル、メンター、インプリマから学ぶ」「一般教育を問う」「教育と心理学」。

子供の可能性を改めて認識すると共に、子供の学習と思考に関して多くの新たな視点を与えてくれるはずだ。さらに、コンピューター・サイエンス教育への期待が高まる今、教育、学校の場で、コンピューターが子供の発達を補助する道具としてどのような役割を果たせるかを考えるきっかけともなる。